ガンダム

前々回のガンダムAGEとGのレコンギスタがどっちも僕的には全然面白くなかったので、今回もあまり期待していなかったのだけど。

鉄血のオルフェンズ、かなり面白いね! 主人公の容赦の無さが素晴らしい。正直、SEED DestinyのキラとかAGE3代目とかみたいに、戦ってるのに

「殺したくないんだ!」

とか言いながらぐずぐずする主人公が嫌いなので。綺麗事言ってんじゃねぇよ、と。まあ、AGEの爺フリット

「ヴェイガンは根絶やしにするのだ」

とか言っててちょっぴり胸が熱くなったけど。あれは全体的に駄目だったからなぁ。00ガンダムの刹那も素晴らしかったけど、映画版で

「俺は戦いに来たわけでは……!」

とか言ってグラハムに説教されてたのがちょっとマイナス。まあ、それでも00ガンダムは大好きだけど。さて、今回のオルフェンズの主人公は今の所見ていて気持ちいい。13話の

「こいつは……死んで良い奴だから」

は素晴らしかった。しかし、そこで終わりなのではなく、きちんと程良く悩んでいる(?)のも良いね。さて、今回はどこまで戦争を貫けるのか。

映像的にも、遠距離攻撃無双なガンダムが多かったけど、今回は遠距離攻撃が決定打にならない世界観の様で、近接攻撃の見せ場が多い(00ガンダムも近接主体だったけど、遠距離に比べて強いわけではなく、あくまで主人公の戦い方の好みによるものだった)。ここまで技術が発展したのに近接に寄るのが科学的に正しいのかはさておき、近接攻撃のバトルの方が僕は楽しいので、今回の傾向は大歓迎。SEED系みたいに「ロックオン→敵全滅」で映像が固定されるよりはねぇ。

ガンダム追記

僕は別に、皆殺し最高! ってわけではない。

SEED DestinyのキラとかAGEのキオとか、現実が見えてないのが嫌なんだよね。主人公だから結局そいつらの言い分通るんだけどさ。特にキラなんかは「撃ちたくない……撃たせないで」とか言って人のせいにするのがもう最悪。撃ってくる相手も撃たれたから打ち返してるんであってね。お前が勝手に撃たれて死ねよ、それで解決だろ、と。そこまで平和主義貫けたのなら、僕は素直に「おー、よーやるなぁ」と多少なりとも感心したかも知れない。戦場で

「戦うのやめようよ!」

って言いだすのは基本的にご都合主義過ぎてどうも。それを言い出して通じるのには、それに相応しい場があるのであってね。そうでない時に「撃ちたくない!」とか言って駄々こねるのは現実見えてないアホなんだよ、と。そういう場を整えるために戦場以外の所で奔走するか、場が整ってからいけよ、と思う。特にキラはね。何度もキラを引き合いに出してアレだけども。

シャアの逆襲でνガンダムが戦いを止める事が出来たのは、口先だけじゃなくて行動に出たからだ。一見無謀に見えても、それでもどうにかしたい、地球を救いたい、という気持ちがわかる行動だったから、そこに共感があったのだ。サイコフレームという状況の説得力を高める舞台装置もあったしね。「戦いをやめよう!」とか「世界を守りたい!」とか一々のたまう暇があるなら、口より先に行動すべきなのだ。アムロはまさにそれだよね。どうにもならない絶望的な状況だけど、それでも抗いたい、という行動があった。

それに引き替え、キラの場合、手にビームライフル持ったまんま「撃たせないで」はねぇだろう、と。せめて全武装解除してからその台詞は言うべきだし、死にたくないから武装解除は出来ない、じゃあ言う資格がない。相手側だってそうなんだし。キラが武装解除しないなら、死にたくないから先に撃つしかないじゃん。SEED Destinyでキラが正しかったのって、本当に結果論だよね。

しかし、そう考えると00ガンダムの刹那の「戦いたくない」発作に対するグラハムの説教は、なかなか深いものがある様に思えてきた。あのシーンは敢えてやったのかも知れないなぁ。意思疎通が出来ないELSという相手に「俺は戦いに来たわけでは無い」なんて言っても通じないのは当たり前の話だけども。これって、普通の戦争に置き換えても同じだよね。キラとかキオみたいに戦争中に「戦いたくない」とか言っても通じないのは当たり前。彼らは主人公でそういう話だったから、その行動が肯定されてしまったけど。00ガンダムでは、グラハムがすぐに説教して刹那を立て直した。あのシーンって、そういう平和に対する安易で現実の見えていないアホくさい行動全体に対するアンチテーゼだったのではあるまいか。

矛盾を抱えてでも、目的のために行動あるのみ、と。

平和のために戦争する、なんてのが矛盾してるのはガキでもわかる話で、ただそれを指摘するならガキでも出来るよね。大人は矛盾があっても、目的のためならそれを抱えなきゃいけない、ってのがわかってるのだ。