Windows失敗?史 Vista編
職場の人がVistaについて
「あれはクソだったよねー」
と言っているのが聞こえた。技術者として非常に嘆かわしい事だと思う。何も見えていないのだ。そう思ってなんとなくGoogleで検索したら
こんな記事とかもあって驚いた。嘘こくんじゃあない。
Vsitaにおける悪評の大体は、色々と誤解や責任の押しつけではないのかな、と思っている。
当のMS自身がVistaは失敗作だと認めてしまったのが悲しいが、あの失敗作という言葉には色々なミーニングが含まれているのではないか。
・マイクロソフトの流儀
闘うプログラマーを読んで出直してきなさい。というか、ビル・ゲイツ本人が凄腕のプログラマだった事を知らないのか?
あと、互換性の確保に力を注いだ、ってあるけども。何故それが技術力があるからこそ出来る事だと考えないのか、不思議で仕方ない。
あと、さもMacがUIしか取り柄の無いOSみたいに書いてるけど、そんなわけがない。
DTPでどれほどMacが活躍していたか知らないのか? Macは眺めるだけの道具ではなく、実際に役に立っていたのだ。
・技術のマイクロソフト?
Vistaの互換性が最低だと断じているが、これも完全な嘘っぱちだ。正直この発言には、頭のどこかに障害があるんじゃないかな、と思わざるを得なかった。
Windows 9xについても触れているのに、何故にWindows 9xからXPへのバージョンアップが完璧な互換性を保っていると思ったのか。
9xコアとNTコアは中身が「全く」違う。出自からして違う。
とりあえずDOS絡みのアプリは全滅だし、Windows 9xのアプリも動かないものは結構あったはずだ。僕は使ってないけど、16bitのアプリに関してはもっと互換性が下がったはずだ。
Windows 2000でも9xとの互換性は割と保たれていたけど、MS的にはそれでも足りないからXPまでコアの移行を伸ばした。それほどの大工事だったのだ。
WinFSの失敗についても、技術不足というより互換性の確保不足が原因だったと思うが。なにせ、WinFSはSQL Serverの技術流用だったんだし。既にある技術の活用だったのだ。
あんなに一気にパラダイムを変えた上で互換性を確保しようとしたら、そりゃあ大変だろう。その労力を見積もれなかった、という点においてはミスである事には間違いないが。
・Windows Vistaの正体
嘘こくでねぇ。
GPUなんかより、メモリの方が100倍ぐらい快適度に影響があった。
そもそも、デザインをBasicに変えればAeroはオフに出来たのだ。
というか、Basic EditionにはAeroは無かったし。
Windows Vistaが目指したのは有り余ったGPU性能の「有効活用」であって、それを「フルに使う」事ではない! そもそもの思想をわかっていない。
・Vista対応マシンをテストする
VistaのAeroはDirectX 10じゃなくてDirectX 9の活用だ。
そして、Vista ReadyにはただのReadyとPremium Readyの2種類がある事にも触れていない。
あと、Vista Readyはあくまで「OSが動くか」であって、DirectXのサンプルプログラムが快適に動くかとは「全く関係が無い」。
さらに言うなら、GPUメーカーやチップも晒さずにDirectX 10に対応していた、と言われても、対応具合は千差万別なので何の判断材料にもならない。
後のコーナーはめんどくさくなったのでまとめて。
もう一度書くが、Vista対応である事と、DirectX 10対応である事には「何の関係もない」。
なんというか、本当に基本的な部分の知識が足りないとしか思えない記事だ。
こんなパワーユーザぶってる奴がものの本質を理解せずに批評するから、Vistaは「単なる」失敗作になってしまったのだ。嘆かわしい。
失敗作ではない、とまで言う気は無いが
「何故失敗作になったのか」「意味の無い失敗だったのか」
そういう辺りの考察がまるで出来ていないのだ。
そういった考察まで書こうかと思ったけど、さすがに疲れた……。また別の機会に。